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旅スケッチ

パリ06秋

 南フランスから、またTGVに乗ってパリへ戻って参りました。TGVの降り駅は、おおきな時計塔のあるリヨン駅です。ここから、パリでの今回の宿のあるイタリヤ広場まで約1時間あまり、徒歩で。パリは緯度では北海道よりも上に位置するのに、なぜかとても暑い日でした。リヨン駅を出ますと、すぐにセーヌ川。ちょっとなつかしい。雰囲気の見覚えを感じる。橋を渡ると、ちょっとドイツ的な建物。鹿児島本線始発の門司港駅の屋根や時計台の位置などの、モデルとなったような感じの駅舎。オステルリッツ駅です。パリ北駅もそうですが、駅舎とは思えないおしゃれで堂々とした建物。ここからは、オルレアン方面への列車が発着する。風が心地よく吹いています。スケッチ。

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オステルリッツ駅

今回はなんとしてでも、前回行きそびれたモンマルトルの丘に行かずばならない。モンマルトル界隈は、印象派やエコールドパリの画家たちの活躍した、芸術の町。まずはモンマルトルのシンボル、サクレ・クール寺院をめざす。そこにモンマルトルの住人でクリストフさんとオリヴィエさんの共通の友人である、下関出身、ガイド業の高本さんと、待ち合わせの約束をしてあります。(私は初対面)サクレ・クール寺院には、地下鉄をいくつか乗り継いでゆく。

サクレ・クール寺院

エッフェル塔のように、パリのシンボルでもあるサクレ・クール寺院。多くのフランス映画にも登場しています。最近では「アメリ」という映画がモンマルトル周辺を舞台にしていて面白いなと思いました。そのロケ地です。ここら辺から撮ったな、とか、映画を思い出しながら歩いてみました。でも、同じ場所でも、あの映画の中のほうがなんだかすてき。さすがに映画作りです。これもやはり芸術です。撮り方、小道具、大道具、出演者の演技・・・。芸術は魔法だな。教えられました。
 丘を登り、サクレ・クール寺院の、まさに寺院の入り口の扉の前で、高本さんと合流しました。それからゆっくりと、モンマルトルのみどころや、ユトリロら、モンマルトルをモチーフにした絵の、その場所などに案内していただきました。さすが高本さんモンマルトル在住とあって、とても詳しい。下の絵は、実は、私が高本さんと合流する前に、画材屋に寄り、そこの小道から見えたサクレ・クール寺院を描いたものですが、なんと、同じ場所から同じアングルで、ユトリロが絵を描いているそうな。やはり、ここには、芸術になるモチーフが多い。

画材屋さんの前の石畳の小道から見たサクレ・クール寺院

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高本さんと別れた翌日は、パリ一人歩き。映画「アメリ」で、主人公が水面に石を投げて、水の上を跳ねさせる場面のロケのあったサン・マルタン運河をめざす。地下鉄から地上に出て、しばらく歩くと、ありました、サン・マルタン運河。ああ、ここだな、と思いながら川沿いを歩いていると、あぐらを組んですわって、パソコンを打ってる人がいる。なんだか日本人のように見えます。むこうも、なんだか日本人に見えるな、とこちらを見ています。「こんにちは」と言ってみると、「こんにちは」と返ってくる。愛知県出身の伊藤崇人(たかひと)さんという方だった。「今、日本へメール打っているところ」と言われます。その当時私は、電話線をつながずにメールが打てるとは知らなかったので、たいそう不思議な感じがしました。某通信会社のものなら、無線で飛ばせる、らしい。彼も旅人のようだったのでいろいろ話してみると、彼も絵を描いているんだそうだ。しかも2~3ヶ月の長旅で、すでにイタリアをたっぷり旅して絵も描いて来たとのこと。そろそろ帰国しようかということで、最近パリにやってきたようでした。かなりの人生の猛者のようでした。カラフルでとても明るい色使いの絵を描く方です。絵を描く点は私と同類でしたので、その日は彼とともに、パリ散策スケッチ歩きをしました。伊藤さんはバイクや車体にエアブラシで絵を描くお仕事もされていますので、彼のホームページで見ることができます。伊藤さんのホームページはart work Taka。翌年2007年に、彼がこの時の個展を名古屋で開かれたおり、再会をいたしました。かなり、パワフルなエネルギーの持ち主です。

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サン・マルタン運河

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ノートルダム寺院

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リュクサンブール公園にて

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コンシェルジェ

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セーヌ河風景

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サン・ジェルマン・デ・プレ協会

伊藤さんと、パリの町を歩きながらスケッチしました。伊藤さんも水彩絵の具を使っていますが、便利な筆を使っておられました。水筆ペンといって、いわば筆ペンです。インクの代わりに水が入っています。これだと、水入れにいちいち水をためたり、こぼれる心配をする心配がありません。毛先は化学繊維ですが、かなり便利なスケッチグッズ。以来、私もこれを買い求めて使用しております。

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